手筋集
手筋は、実戦で何度も現れる「型の決まった好手」です。知っているだけで読みが一気に短くなります。歩・桂香・金銀・大駒・寄せ・受けの順に、使いどころと注意点をまとめました。手筋ごとのページでは、図を1手ずつ動かして形を確かめられ、問題つきのものは盤上で解けます。
各ページの問題はすべて先手番の部分図で、後手の持ち駒はありません。正解は1手です(そのあとの展開は「答えを見る」で解説しています)。駒の動かし方は、盤上の駒を押してから移動先を押すか、ドラッグしてください。持ち駒は駒台の駒を押して打てます。
歩の手筋
歩は一番安い駒なので、捨てても損が小さく、手筋の主役になります。「一歩千金」のとおり、持ち駒の歩が1枚あるだけで使える手筋が大きく増えます。
- 叩きの歩 たたきのふ相手の駒のすぐ前に歩を打ち、取らせて形を崩すか、取らなければ歩成りや駒取りを狙う、歩1枚でできる基本の手筋です。
- 継ぎ歩 つぎふ歩を突き捨てて取らせたあと、取った相手の歩の頭にもう一度歩を打ち、相手の歩をさらに前へ吊り上げる手筋です。
- 垂れ歩 たれふ敵陣の一つ手前に歩を打っておき、次に成ってと金を作る手筋で、すぐには駒を取らないぶん相手が受けにくい攻めになります。
- 合わせの歩 あわせのふ相手の歩の正面に自分の歩を打ってぶつけ、歩を交換して筋を通したり、持ち駒の歩を増やしたりする手筋です。
- 突き捨ての歩 つきすてのふ盤上の歩を一歩前に突き出して相手にわざと取らせ、飛車・角や銀の通り道を開ける、仕掛けの第一歩になる手筋です。
- 焦点の歩 しょうてんのふ相手の駒が2枚以上利いている地点にあえて歩を打ち、どの駒で取っても陣形のどこかに弱点が生まれるようにする手筋です。
桂・香の手筋
桂は駒を飛び越え、香は一直線に遠くまで利きます。どちらも後ろに戻れないので、打つ場所の選び方が手筋のポイントです。
- 控えの桂 ひかえのけい相手の駒にすぐ当てず、一段手前に桂を打っておき、次に跳ねる手や桂の利きを生かした攻めを狙う手筋です。
- ふんどしの桂 ふんどしのけい桂の利き(2マス前の左右)を使って相手の駒2枚を同時に狙う両取りで、王手を含むと特に強力な手筋です。問題つき
- つなぎ桂 つなぎけい盤上の桂が利いているマスにもう1枚桂を打ち、取られても次の桂で取り返して攻めをつなげる、桂を2枚以上使う手筋です。
- 歩頭の桂 ふがしらのけい相手の歩の正面に桂を打って歩で取らせ、歩を前へ吊り上げて、その後ろの囲いにすき間を作る、終盤の崩しの手筋です。
- 田楽刺し でんがくざし縦に並んだ相手の駒のうち前の駒に香を当て、前の駒が逃げれば後ろの駒を取る、香ならではの串刺しの手筋です。問題つき
銀・金の手筋
銀は斜め、金は前と横に強い駒です。両取りや玉の詰ませ方の基本形に、この2つの駒がよく登場します。
- 割り打ちの銀 わりうちのぎん1マス空けて横に並んだ相手の駒の間の斜め後ろに銀を打ち、銀の後ろ向きの利きで2枚を同時に狙う両取りの手筋です。問題つき
- 頭金 あたまきん玉の頭(すぐ前のマス)に、味方の駒で支えた金を打って詰ます、もっとも基本的で実戦にも多く現れる詰みの形です。問題つき
- 尻金 しりきん玉の真後ろ(相手陣の奥)に金を打つ手筋で、玉の前や横が相手自身の駒でふさがっているときに詰み形になります。問題つき
- 腹銀 はらぎん玉の真横(腹)に銀を打って逃げ道をふさぐ寄せの手筋で、王手ではないのに必至になる形が多いのが特徴です。問題つき
- 銀ばさみ ぎんばさみ相手の銀が下がれる斜め後ろの2マスを歩で押さえ、前に出すぎた銀の退路を断って取る、持ち歩を生かした手筋です。
飛車・角の手筋
飛車と角は遠くから利く強力な駒で、両取りをかけやすいのが特長です。
寄せの手筋
相手の玉を詰みに追い込む終盤の手筋です。駒を捨てて玉の位置を変える手が多く登場します。
受けの手筋
攻められたときに、相手の攻めを弱めたり遅らせたりする手筋です。
よくある質問
手筋と定跡はどう違いますか?
定跡は序盤の決まった手順(駒組み)のことで、手筋は局面の形に応じて使う効果的な手や短い手順のことです。定跡は戦法ごとに覚えますが、手筋はどの戦法でも共通して使えます。
手筋はどの順番で覚えるのがおすすめですか?
まずは頭金・腹銀などの寄せの形と、たたきの歩・垂れ歩などの歩の手筋から覚えるのがおすすめです。歩の手筋はほとんどの対局で使う機会があり、寄せの形は勝ち切る力に直結します。
参考資料
- Wikipedia「手筋 (将棋)」
- Wikipedia「将棋用語一覧」
- Wikipedia (EN) “Shogi tactics”
- 日本将棋連盟 コラム「香車の手筋」
- 日本将棋連盟 コラム「銀の手筋」
- Shogi Shack “Suji and Tesuji”
最終更新: 2026-10-17